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Japanese Living Bible Old Testament Exodus
出エジプト記
神様は、すぐれた指導者モーセに、エジプトの奴隷となっているイスラエル人を解放する
使命をお与えになりました。 そのモーセをとおして、神様の命令に従おうとしないエジ
プト王に、神様は十種類の災害をもたらしたのです。 過越の祭りは、最後の災害の時に
制定され、その後イスラエルでは、神様が民を解放してくださったことを記念するものと
なりました。 人々は紅海を渡り、シナイ山に着き、そこで、神様から十戒や神の天幕の
設計図を授かり、神の国民とされました。
1‐4家族を連れ、ヤコブといっしょにエジプトへ行ったヤコブの息子たちの名前は、次
のとおりです。
ルベン、シメオン、レビ、ユダ
イッサカル、ゼブルン、ベニヤミン
ダン、ナフタリ、ガド、アシェル
5 一行は総勢七十名でした。 ヨセフは皆より先にエジプトへ行っていたので、この数
には入りません。 6やがて、ヨセフも兄弟たちも死に、新しい世代になりました。 7
彼らは子宝に恵まれ、人口は増える一方です。 あまりの急激な増加に、ゴシェンの地は
イスラエル人であふれ、一つの国と言ってもいいほどの勢力にふくれ上がりました。
8 やがて、新しい王がエジプトの王座につきました。 ヨセフの子孫に何の義理も感じ
ない王です。
9 王は国民に言いました。 「このままイスラエル人どもを放っておくと危険だ。 あ
まりに数が多すぎる。 10なんとか、やつらの力を食い止めなければならん。 戦争に
でもなり、やつらが敵方についたら、それこそ大へんだ。 われわれに戦いをいどみ、な
んなくこの国から逃げてしまうだろう。」
11 そこで、イスラエル人を奴隷にしてしまおうということになりました。 きびしい
監督を立て、重労働につかせるのです。 こうして建てられたのが、倉庫の町ピトムとラ
メセスです。 12ところが、いくらこき使い、締めつけをきびしくしても、いっこうに
効果はありません。 むしろ、前より激しい勢いで人が増え続けるのです。 エジプト人
は警戒して、 1314ますますつらい仕事を押しつけました。畑で長時間の重労働をさ
せたうえに、粘土でれんがを作る激しい仕事もさせる、というぐあいです。
1516これほどにしても、まだ効き目がありません。 とうとう王は、シフラとプアと
いうヘブル人(イスラエル人)の助産婦に、ひそかに命じました。 ヘブル人の男の子は
生まれたらすぐ殺し、女の子だけを生かしておくようにというのです。 17ところが、
助産婦たちは神様を恐れていたので、王の命令に従わず、男の子も生かしておきました。
18 王は二人を呼びつけ、問い詰めました。 「おまえたちは男の子を生かしておくそ
うだな。 なぜわしの命令に背いたっ!」
19 「陛下はご存じないでしょうが、ヘブルの女はとても丈夫で、簡単に赤ん坊を産ん
でしまうのです。 私たちが駆けつけた時には、もう生まれてしまっているのでございま
す。 エジプトの女と違って出産に手間取らないものですから。」
20 神様は助産婦たちによくされたので、イスラエル人はさらに増え続け、強大な国民
になりました。 21神様を恐れ敬う助産婦たちも、子供に恵まれました。 22そこで、
王は全国民に、「以後、ヘブル人の赤ん坊は、女の子だけを残して、男の子はみなナイル川
に投げ込め」と命じたのです。
12そのころ、あるヘブル人の若い男女が結婚しました。 二人ともレビ部族の出身でし
た。 やがて、二人の間に男の子が生まれました。 玉のようにかわいらしい赤ん坊です。
どうして、川へなど投げ込めましょう。 母親は三か月のあいだ家に隠しておきました。
3もうそれ以上は隠しきれません。 彼女はパピルス製のかごにタールを塗って防水し、
赤ん坊を入れると、ナイル川のほとりの葦のしげみに、そっと置きました。 4その子の
姉が遠くから、弟がどうなるのか見守っていました。
5 さて、それから何が起こったでしょう。 王女が、ちょうどそのとき川へ水浴びに来
たのです。 侍女たちを従えて岸を歩いていると、葦の間に小さなかごがあります。 何
だろうと思って侍女をやり、それを引いて来させました。 6開けてみて驚きました。 中
で赤ん坊が泣いているではありませんか。 「まあ、かわいそうに! きっとヘブル人の
赤ちゃんだわ。」 王女は思わず叫びました。
7 それを見ていた姉が、この時とばかり王女のそばへ駆け寄りました。 「王女様、そ
の赤ちゃん、お育てになりますか? だったら、お乳をあげる女がいりますよね。 だれ
かヘブル人の女の人を捜して来ましょうか?」
8 「よく気のつく子だね。 そうしておくれ。」 王女の返事を聞いて、少女はうれしく
てたまりません。 家へ飛んで帰り、母親を呼んで来ました。
9「お礼は十分しますから、この子を連れて行って、私の子として育ててください。」 王
女は子供の実の母親とも知らず頼みました。 もう何の遠慮もいりません。 彼女は子供
を抱いて家へ帰りました。
10 やがて、その子は大きくなり、養子として正式に、王女のやしきへ引き取られまし
た。 王女は彼をモーセ〔「引き出す」の意〕と名づけました。 水の中から引き出した子
供だからです。
11 それから何年かたちました。 モーセはりっぱに成長し、一人前の大人になってい
ました。 ある日、彼は同胞のヘブル人を訪ねようと外出したのです。 ところが、目に
したのは、あまりにもひどい有様でした。 初めて同胞の苦しみを知ったモーセの血は騒
ぎました。 ちょうどその時、エジプト人がヘブル人を地べたになぐり倒しているところ
へ、出くわしたのです。 自分と同じヘブル人がやられている。 そう思うと見過ごせま
せん。 12急いであたりを見回し、だれも見ていないのを確かめると、そのエジプト人
を殺し、死体を砂の中に隠しました。
13 次の日もまた、ヘブル人を訪ねましたが、今度はヘブル人同士でけんかしています。
「同じヘブル人なのに仲間をなぐるとは、いったいどういうつもりだ。」 モーセは悪いほ
うの男を責めました。
14 男も負けてはいません。 「ふん、いらぬおせっかいよ。 だいたい、そういうお
まえこそ何者だい。 まるで王様か裁判官みたいな口をきくじゃないか。 きのうのエジ
プト人だけじゃ足りず、おれまで殺そうってのかい。」 あんなに用心したのに、きのうの
事がばれているのです。 モーセは非常に不安になりました。 15そして心配したとお
り、エジプト人殺害の話は、王の耳にも達したのです。 王は、「直ちにモーセを逮捕し、
処刑せよ」と命じました。 絶体絶命です。 モーセはミデヤン(アラビヤ半島の北西部、
アカバ湾沿岸)の地へ逃げることにしました。 こうして、とある井戸のかたわらに座っ
ていると、 16ミデヤンの祭司の娘が七人、水くみにやって来ました。父親の羊の群れ
に飲ませるのです。 ところが、いよいよ水おけに水をくみ始めると、 17あとから来
た羊飼いたちが、娘たちを追い払いにかかるではありませんか。 そこで、モーセは彼女
らに手を貸し、群れに水を飲ませました。
18 家へ戻った娘たちに、父親のレウエルが尋ねました。 「おや、きょうはばかに早
いじゃないか。 どうしたんだね。」
19 「いつものように羊飼いたちがじゃましようとしたら、あるエジプト人が助けてく
れたの。 羊飼いを追い払って、羊に飲ませる水までくんでくれたんです。」
20 「ほほう、親切な人だな。 で、その人はどこにいる? ちゃんとお連れしたんだ
ろうね。 さ、早く入っていただいて、お食事を差し上げなさい。」
21 レウエルにいっしょに住んでほしいと言われ、モーセも申し出を受け入れることに
しました。 レウエルは娘の一人チッポラを妻として与えました。 22やがて子供が生
まれ、ゲルショム〔「外国人」の意〕と名づけました。 モーセが、「私はこの国では外国
人だ」と言ったからです。
23 何年かして、エジプトの王が死にました。 しかし、イスラエル人は楽になりませ
ん。 相変わらず奴隷としてこき使われ、うめき苦しんでいました。 あまりの苦しみに
耐えかね、泣く泣く神様に助けを求めるのでした。 その悲痛な叫びは天まで届き、 2
4神様は、〔子孫をカナンの地に連れ戻すという〕アブラハム、イサク、ヤコブへの約束を
思い出されたのです。 25神様は天から一部始終をご覧になり、イスラエル人を救い出
す時がいよいよきたと考えました。
1 ある日モーセは、ミデヤンの祭司、しゅうとイテロ〔別名レウエル〕の羊の群れを番
していました。 砂漠のはずれにある神の山ホレブ(シナイ山)に近い所です。 2突然、
柴の燃える炎の中に、神様の使いが現われました。 よく見ると、柴には火がついている
のに、いつまでも燃えています。 34「いったい、どういうことだろう。」 不思議に思
いながら、そばへ近寄りました。 その時です。 神様が呼びかけました。
「モーセ、モーセ!」
「は、はい。 どなたでしょう。」
5 「それ以上近寄るな! くつを脱げ。 おまえが立っている所は聖なる地だ。 6わ
たしはおまえの先祖の神、アブラハム、イサク、ヤコブの神だ。」 モーセはあわてて顔を
おおいました。 神様を見るなど、とても恐れ多いことです。
7 神様は続けました。 「わたしの国民が、エジプトで非常な苦しみをなめているのを
見た。 無慈悲な監督のむちを取りのけてほしい、と叫んでいるのを聞いた。 8彼らを
エジプト人の手から救い出そうと思う。 エジプトから助け出し、『乳と蜜の流れる』国、
広々とした美しい国へ連れて行こう。 今、カナン人、ヘテ人、エモリ人、ペリジ人、ヒ
ビ人、エブス人が住んでいる地だ。 9今こそイスラエル人の嘆きがよくわかった。 つ
らい仕事に明け暮れ、エジプト人にこき使われている。 10そこで、おまえをエジプト
王のもとへ遣わそうと思う。 わたしの国民をエジプトから助け出すのだ。 王にそう言
ってやれ。」
11 「そんな大それた仕事など、とても私には。」 モーセは思わず叫びました。
12 「心配するな。 わたしがついている。 おまえを遣わしたのがわたしだという証
拠に、必ずおまえといっしょにいよう。 人々を無事エジプトから助け出したら、この山
の上で、神を礼拝しなければならない。」
13 「ですが神様、イスラエル人のところへ行って、先祖の神様に遣わされて来たと言
ったら、きっとこう聞かれます。 『なに、先祖の神様だと? いったい何という名の神
様だ。』 その時どう説明したらよいのでしょう。」
14 「わたしは『生ける神、創造者』だ。 『「わたしはある」(イスラエルの神の名、
主のもともとの意味)という方に遣わされた』と言えばよい。 15そうだ、『あなたがた
の先祖アブラハム、イサク、ヤコブの神、主が私を遣わした』と言いなさい。 これが永
遠に変わらないわたしの名だ。」
16 神様はまた、モーセに命じました。 「イスラエルの長老全員を呼び集めなさい。
そして神が燃える柴の中に現われ、こう言ったと伝えるのだ。 『わたしの国民イスラエ
ルがエジプトでどんなに苦しんでいるかを、この目で見た。 17しかしもう、そんな屈
辱を味わうことも、つらい労働をしいられることもない。 わたしが必ず救い出す。 そ
して、今、カナン人、ヘテ人、エモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人が住んでいる、「乳
と蜜の流れる」国へ連れて行く。』 18長老たちはおまえの言うことを聞くだろうから、
いっしょにエジプト王のところへ行き、こう言うのだ。 『ヘブル人の信じる神様のお告
げがありました。 砂漠を三日ほど行った所で、神様にいけにえをささげるようにとのこ
とです。 どうぞ出かける許可を下さい。』
19 だが王も一筋なわではいかないだろう。 それは目に見えている。 20だからわ
たしが、いやおうなしに承知するようにしてやろう。 奇蹟を起こしてエジプトを懲らし
めるのだ。 そのあとで、ようやく行かせることになるだろう。 21その時には、エジ
プト人から贈り物をたっぷりもらえるようにしてやろう。 何も持たずにエジプトを出る
ことは、決してない。 22女はみな、エジプト人の主人の妻や隣人から、金、銀、宝石、
美しい服を求めるだろう。 息子や娘たちに、エジプトの最良の服を着せるのだ。」
1 しかし、モーセは反論しました。 「あの人たちは私を信じてくれないでしょう。 私
の言うことなんか聞くはずがありません。『神様がおまえに現われたって? うそもたい
がいにしろ』と言うに決まっています。」
2 「いま手にしているのは何かね。」
「羊飼いの杖です。」
3 「地面に投げてみなさい。」 そう言われて杖を投げると、どうでしょう。 たちまち
蛇に変わったではありませんか。 モーセはびっくりして、あとずさりしました。
4 すかさず神様が命じます。 「しっぽをつかまえろ。」 言われたとおりにすると、蛇
は手の中で、また杖に戻るのでした。
5 「みなの前で、今と同じことをして見せるのだ。 そうすれば、おまえを信じるだろ
う。 そして、先祖アブラハム、イサク、ヤコブの神が、ほんとうにおまえに現われた、
と納得するだろう。 6今度は手をふところへ入れなさい。」 また言われたとおりにして
手を出すと、なんとらい病にかかり、雪のように白くなっているのです。7「もう一度ふ
ところへ入れなさい。」 そうすると、不思議なことに、らい病はすっかり治っていました。
8 「たとい最初の奇蹟を信じなくても、二番目の奇蹟は信じるだろう。 9それでもま
だ信じなかったら、ナイル川の水をくんで地面に注ぎなさい。 水は血に変わるだろう。」
10 しかし、モーセはなおも食いさがりました。 「神様、私はとても口べたです。 う
まく話ができたためしがありません。 こうしてお話ししていても、思うように物が言え
ません。 すぐどもってしまうのです。」
11 「人間の口を造るのはだれかね。 神であるわたしではないか。 人が話せたり話
せなかったり、目が見えたり見えなかったり、耳が聞こえたり聞こえなかったりするのは、
だれの力によることだ? 12さあ、ぐずぐず言わず、わたしの言うとおりにしなさい。
ちゃんと話せるように助けてやるし、何を話すかも教えよう。」
13 それでも、モーセは渋っています。 「神様お願いです。 だれかほかの人をやっ
てください。」
14神様はとうとう腹を立てました。 「もうよい。 おまえの兄アロンは話すのがじょ
うずだ。 ちょうど今、おまえを捜しに来る。おまえを見つけたら大喜びするだろう。 1
5わたしが言うことを彼に教え、代わりに話してもらうがいい。 二人ともうまく話せる
ようにわたしが助け、しなければならないことはみな教える。 16彼はおまえの代わり
に語る。 おまえはわたしの代わりに、言うべきことを彼に告げるのだ。 17例の奇蹟
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